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変身 [文芸]

なんというか…
救いがない。


本棚から見える際立って細いその背表紙についつい手を伸ばしてしまったけれど、
痛い。

良いとか悪いではなく、
きれいとかきたないでもなく、
ただただ「これが人間の本性です。」とさらりと見せられました。
まるで色見本でも見せるように。

これだけはっきりと表現できるんだから、文章としてはすばらしいのだろうけど
だからこそ人にぜひ読んでみてと薦められない…

でも書きます。
入れたものを出したいので。
ひどいことを書くかもしれないけど。


ちょっとあらすじを書きます。

虫に変身したグレーゴル。
その存在は単純明快。
家族のお荷物。
お荷物とはいえ家族の一員。
なんとかやっていかなくっちゃ。
でも結局お荷物はお荷物。
重たいなぁ。
しんどいなぁ。
あ、
荷物がなくなった。
これからは幸せになれるね。


うん、わかるよその気持ち。
僕だって人間だから。


お荷物を背負ってた家族として読めば、
「よくがんばった」
「もう解放されていいんだよ」
って後押しになるかもしれない。

けど、「今までなんて酷いことしてきたんだろう」
って思い知らされるかもしれない。

お荷物になったとして読めば、
「もう消えるしかない」
って思わされるんじゃないのか。


でも人間は虫じゃない。
言葉が通じる。
片付けられたくない絵があればそう言えばいい。
引越ししたいならそう伝えればいい。

虫だと思い込んで一人っきりで考えるから
虫だと思い込んで何も語り掛けないから
こんな結末になるんだ。

話ができるなら誰かと話をしようよ。
そうすりゃ少しは状況変わるさ。


なんか無理矢理かもしれないけど
読後感が嫌だったので結論付けをしました。


これしか読んでないけど
今のところカフカの作品好きになれないなぁ…



変身 (新潮文庫)

変身 (新潮文庫)

  • 作者: カフカ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1952/07/30
  • メディア: 文庫



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