かもめのジョナサン|リチャードバック [文芸]
ジョナサンが凄い。
いや、ぶっちゃけ彼は『かもめ』ですけどね。そのままです。
本当に嘘偽り無く、真実を伝えようとしているタイトルです。
ええ、ジョナサンは凄くて『かもめ』なのです。
むしろ、彼が『かもめ』であるからこその物語なんですが。
えー、かもめかもめ連呼しましたが、何か早口言葉作れそうですね。
と、そんなことはどうでもいいですが、写真で見ると『かもめ』って意外と野生動物でした。
見事に鳥でした。
個人的に、鳥には『あと一歩足りないけど完成されたイメージ』があるんですけどね。
飛ぶように生まれてきた動物って凄いけど、いろんなものを削ぎ落としてるじゃないですか。
でも、その形が美しい。
一点を目指す、ただ飛ぶ、ということだけを突き詰めることができる綺麗さを感じたとき、筆舌し難いものが鮮やかに心を打ちます。
そのことを伝えるための、『かもめ』だったのだと思います。
鷹のように狩りに優れるでもなく、鶴のように足が長いわけでもありません。
どこか間抜けそうで、これといった特徴の無い鳥を選んだ結果。
それが『かもめ』でありジョナサンなのです。
所詮、誰かと競い合うことは有限で、いつか絶対に限界が来ます。
それは生物である限り当たり前のことで、逃げられないし逃げる必要もないのです。
一応言っておきますが、努力に意味が無いわけではありませんよ?
誰かに勝つということだけを最終目的にしても虚しい、ってことです。
必要なのは、ありのままを理解しようと努力する、ということでしょうか。
つまり、愛なのです。
それがなかなか、難しいのですが(笑)。
いや、ぶっちゃけ彼は『かもめ』ですけどね。そのままです。
本当に嘘偽り無く、真実を伝えようとしているタイトルです。
ええ、ジョナサンは凄くて『かもめ』なのです。
むしろ、彼が『かもめ』であるからこその物語なんですが。
えー、かもめかもめ連呼しましたが、何か早口言葉作れそうですね。
と、そんなことはどうでもいいですが、写真で見ると『かもめ』って意外と野生動物でした。
見事に鳥でした。
個人的に、鳥には『あと一歩足りないけど完成されたイメージ』があるんですけどね。
飛ぶように生まれてきた動物って凄いけど、いろんなものを削ぎ落としてるじゃないですか。
でも、その形が美しい。
一点を目指す、ただ飛ぶ、ということだけを突き詰めることができる綺麗さを感じたとき、筆舌し難いものが鮮やかに心を打ちます。
そのことを伝えるための、『かもめ』だったのだと思います。
鷹のように狩りに優れるでもなく、鶴のように足が長いわけでもありません。
どこか間抜けそうで、これといった特徴の無い鳥を選んだ結果。
それが『かもめ』でありジョナサンなのです。
所詮、誰かと競い合うことは有限で、いつか絶対に限界が来ます。
それは生物である限り当たり前のことで、逃げられないし逃げる必要もないのです。
一応言っておきますが、努力に意味が無いわけではありませんよ?
誰かに勝つということだけを最終目的にしても虚しい、ってことです。
必要なのは、ありのままを理解しようと努力する、ということでしょうか。
つまり、愛なのです。
それがなかなか、難しいのですが(笑)。
かもめのジョナサン - Jonathan Livingston Seagull【講談社英語文庫】
- 作者: リチャード バック
- 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 文庫
タグ:リチャードバック
エディプスの恋人|筒井康隆 [文芸]
えー、何かこういう形で文章を書くのがすごく懐かしいです(汗)。
まあ、そんなことはどうでも良いですね。
さっさと次に行きましょう。
本の読み貯めをしておこうかな、と思い、買い込んだ本の中の一冊でした。
言わずと知れた多才な文豪の作品です。
この方の感性の鋭さには、脱帽を通り越して脱皮しても良いくらいじゃないでしょうか。
本書はセカイ系の最先端じゃないかな、と読書量が少ない人間が言ってみる。
「ビアンカ(略)」も記憶に新しいですよね。
そう考えてみれば「パプリカ」なんかもありました。
活躍し放題ですね。あこがれます。
さて、中身のお話。
「家族八景」「七瀬ふたたび」に続く、七瀬シリーズ三部作の最終章です。
あ、凄ぇ、シリーズ物でしかも最後にこういうことやっちゃうんだ。と思いました。
何が「こういこと」なのかは、読んでみて確かめてみてください。
しかしまあ、先見の明ですよ。時代を先走ってますね。七瀬と「彼」を取り囲んだチンピラの如く。
思えば女性に肉食系が増えたとか言われてますし。
こういうのも、感性なのでしょうなぁ。
ストーリーも、ミステリーに通ずる話の流れ方をしているので、非常に読みやすく、適度な緊張を持って読み進められます。
それでいてSFの広がりを見せる世界観が、読者の心の手綱をうまい具合に操ってくれます。
終盤の引き締め方などは、前作を読んでいるとより怖気を誘われることでしょう。
ネタバレ覚悟で話したい事柄もありますが、そこは是非、本書で味わってもらいたいので、何もいえません。
ただ、本を読みなれている人こそ衝撃が強いものになるでしょう。
常識でものを考えていては、罠に嵌められること間違い無しです。
ちなみに、この本に出てる「彼女」。超強いから気をつけてください。勝てません。
まあ、そんなことはどうでも良いですね。
さっさと次に行きましょう。
本の読み貯めをしておこうかな、と思い、買い込んだ本の中の一冊でした。
言わずと知れた多才な文豪の作品です。
この方の感性の鋭さには、脱帽を通り越して脱皮しても良いくらいじゃないでしょうか。
本書はセカイ系の最先端じゃないかな、と読書量が少ない人間が言ってみる。
「ビアンカ(略)」も記憶に新しいですよね。
そう考えてみれば「パプリカ」なんかもありました。
活躍し放題ですね。あこがれます。
さて、中身のお話。
「家族八景」「七瀬ふたたび」に続く、七瀬シリーズ三部作の最終章です。
あ、凄ぇ、シリーズ物でしかも最後にこういうことやっちゃうんだ。と思いました。
何が「こういこと」なのかは、読んでみて確かめてみてください。
しかしまあ、先見の明ですよ。時代を先走ってますね。七瀬と「彼」を取り囲んだチンピラの如く。
思えば女性に肉食系が増えたとか言われてますし。
こういうのも、感性なのでしょうなぁ。
ストーリーも、ミステリーに通ずる話の流れ方をしているので、非常に読みやすく、適度な緊張を持って読み進められます。
それでいてSFの広がりを見せる世界観が、読者の心の手綱をうまい具合に操ってくれます。
終盤の引き締め方などは、前作を読んでいるとより怖気を誘われることでしょう。
ネタバレ覚悟で話したい事柄もありますが、そこは是非、本書で味わってもらいたいので、何もいえません。
ただ、本を読みなれている人こそ衝撃が強いものになるでしょう。
常識でものを考えていては、罠に嵌められること間違い無しです。
ちなみに、この本に出てる「彼女」。超強いから気をつけてください。勝てません。
タグ:筒井康隆
グラスホッパー | 伊坂幸太郎 [文芸]
もうおなじみですね。
『陽気なギャングが地球を回す』、とか、『重力ピエロ』が映画化されているので凄く有名な著者の方だと思います。
ええ、ぶっちゃけると、有名だから読んでみました。
有名な作品には触れておかねば、という浅ましい考えですいません。
ミーハーな人間はこれだから困ります。っていうか、ミーハーの意味を説明できませんが、何となく使います。すいません。
さて、まあ題名からして『グラスホッパー』。つまりはバッタ。飛蝗。ちなみにイナゴは蝗。
虫に皇と書くなんて、なんと偉そうな名前だ。すげーかっこいい。
……閑話休題。
こいつら飛蝗は集団を形成すると、性格が悪くなって、災害規模の襲撃をしてくるらしいです。まさに非行に走ったといえますね。盗んだバイクで蝗ライダーですか。
(大変失礼しました)
どこかの洋画で、大量のイナゴが襲ってくる映画があったなぁ、などと思い出しました。
一応言っておきますが、『グラスホッパー』はバッタの小説ではありませんよ。
まあ、蝉と鯨と押し屋は出てきますけどね。鈴木もいます。
彼らが主軸となって、物語が展開していきます。
殺し屋たちと普通のおっさんが繰り広げる、殺しの様相が手に汗を握らせるでしょう。
凄くない人間だって、生きてるんだ。がんばるんだ。
そう思わせてくれた普通のおっさん=鈴木。
これが特殊な能力に目覚めた高校生なら、また話は違うんでしょうけどね。
現実はそんなに甘くないよ、と。
おっさんだろうが爺さんだろうが、生まれてきたばかりの赤ん坊だとしても、一生懸命にならなくちゃいけないことがあって。
それにどれだけ真剣になれるか、っていうのが大事だと思いました。
不恰好でも、弱くても。馬鹿でも。やっぱり格好良さってのは、心に伝わるもんですね。
『陽気なギャングが地球を回す』、とか、『重力ピエロ』が映画化されているので凄く有名な著者の方だと思います。
ええ、ぶっちゃけると、有名だから読んでみました。
有名な作品には触れておかねば、という浅ましい考えですいません。
ミーハーな人間はこれだから困ります。っていうか、ミーハーの意味を説明できませんが、何となく使います。すいません。
さて、まあ題名からして『グラスホッパー』。つまりはバッタ。飛蝗。ちなみにイナゴは蝗。
虫に皇と書くなんて、なんと偉そうな名前だ。すげーかっこいい。
……閑話休題。
こいつら飛蝗は集団を形成すると、性格が悪くなって、災害規模の襲撃をしてくるらしいです。まさに非行に走ったといえますね。盗んだバイクで蝗ライダーですか。
(大変失礼しました)
どこかの洋画で、大量のイナゴが襲ってくる映画があったなぁ、などと思い出しました。
一応言っておきますが、『グラスホッパー』はバッタの小説ではありませんよ。
まあ、蝉と鯨と押し屋は出てきますけどね。鈴木もいます。
彼らが主軸となって、物語が展開していきます。
殺し屋たちと普通のおっさんが繰り広げる、殺しの様相が手に汗を握らせるでしょう。
凄くない人間だって、生きてるんだ。がんばるんだ。
そう思わせてくれた普通のおっさん=鈴木。
これが特殊な能力に目覚めた高校生なら、また話は違うんでしょうけどね。
現実はそんなに甘くないよ、と。
おっさんだろうが爺さんだろうが、生まれてきたばかりの赤ん坊だとしても、一生懸命にならなくちゃいけないことがあって。
それにどれだけ真剣になれるか、っていうのが大事だと思いました。
不恰好でも、弱くても。馬鹿でも。やっぱり格好良さってのは、心に伝わるもんですね。
泥棒に追い風 | 赤川次郎 [文芸]
「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ。
いや、何ていうかね、このシリーズ大好きなのですよ。
っていうか、道田くん最高。
相変わらずの活躍に、愛が止まりません。
夫が泥棒で妻が刑事なら、捕まえればいいだけの話なんですが。
妻は夫に尋常でないほどほれているのです。
それはもう、凄く愛しています。
そして愛し合ってます。
(内容の方は、本書を読んでお確かめ下さい)
でさぁ、夫の方も、どこのアクション映画の主人公だよ
と突っ込みを入れたくなるくらいのナイスガイ。
多分、どんな状況に放り投げられても、確実に生還するタイプの人間だと思われます。
さて、シリーズというからには、色々な話が存在するのですが。
今回は、リストラされた中年男と裏社会の若き女社長が登場します。
ええ、毎度のことですが、ロマンスありです。
世万の無い小説は、小豆の無い赤飯のようなものです。
そう、それでは単なる『もち米の蒸したやつ』になってしまうのです。
さあ、小豆を入れてもち米を炊こう。
そして、お好みで胡麻塩を用意するのもいいだろう。
飾り付けの南天の葉も悪くない。
きっと、出来立ての赤飯は美味しいに違いない。
いや、何ていうかね、このシリーズ大好きなのですよ。
っていうか、道田くん最高。
相変わらずの活躍に、愛が止まりません。
夫が泥棒で妻が刑事なら、捕まえればいいだけの話なんですが。
妻は夫に尋常でないほどほれているのです。
それはもう、凄く愛しています。
そして愛し合ってます。
(内容の方は、本書を読んでお確かめ下さい)
でさぁ、夫の方も、どこのアクション映画の主人公だよ
と突っ込みを入れたくなるくらいのナイスガイ。
多分、どんな状況に放り投げられても、確実に生還するタイプの人間だと思われます。
さて、シリーズというからには、色々な話が存在するのですが。
今回は、リストラされた中年男と裏社会の若き女社長が登場します。
ええ、毎度のことですが、ロマンスありです。
世万の無い小説は、小豆の無い赤飯のようなものです。
そう、それでは単なる『もち米の蒸したやつ』になってしまうのです。
さあ、小豆を入れてもち米を炊こう。
そして、お好みで胡麻塩を用意するのもいいだろう。
飾り付けの南天の葉も悪くない。
きっと、出来立ての赤飯は美味しいに違いない。
タグ:赤川次郎
国境の南、太陽の西 |村上春樹 [文芸]
この本を読んで、最初に思ったこと。
「幸せそうな人生を送っても、人間って重箱の隅をつつくように不満の種を見つけてくるよね」
まるで、空気の中で溺れるような気分を味わいました。
「だって、どうにもならねぇじゃん」と言うしかない。
人間、生きてればそれなりに我慢しなくちゃいけないことがあって。
どうして我慢するのかと聞かれれば。
やっぱり、先を見てしまうから面倒に思えてくるのです。
雨の中を「ひゃっほーっ」とか叫びながら走るには、歳を取りすぎた。
直に雨粒に打たれる感触も、濡れた服の冷たさも、想像が出来てしまう。
感情のままに動き出すことが、難しい。
濡れた服を洗濯機に突っ込み、暖かいシャワーを浴びる時間が勿体なく思えてしまう。
無駄な時間を過ごしたくないのかもしれない。
人生という制限時間の中で、終わりを想像しない時代が確かにあった。
それがすべて幸せだったとは言わない。
我慢もしたし、間違えたし、苦しいこともあった。
だけど、時間が無駄だなんて思っている暇が、無かったように思えるのです。
一日が、一生懸命に短かった。
きっと、歳をとってから思い出すことになります。
そして、酒の肴にして笑い合うのです。
「あの時は、若かったなぁ」
と、呟くことになるでしょう。
この物語は。
ある人にとっては、慰めになり。
ある人にとっては、悪夢となる。
ま、人生なんてそんなもんです。ラララ~。
「幸せそうな人生を送っても、人間って重箱の隅をつつくように不満の種を見つけてくるよね」
まるで、空気の中で溺れるような気分を味わいました。
「だって、どうにもならねぇじゃん」と言うしかない。
人間、生きてればそれなりに我慢しなくちゃいけないことがあって。
どうして我慢するのかと聞かれれば。
やっぱり、先を見てしまうから面倒に思えてくるのです。
雨の中を「ひゃっほーっ」とか叫びながら走るには、歳を取りすぎた。
直に雨粒に打たれる感触も、濡れた服の冷たさも、想像が出来てしまう。
感情のままに動き出すことが、難しい。
濡れた服を洗濯機に突っ込み、暖かいシャワーを浴びる時間が勿体なく思えてしまう。
無駄な時間を過ごしたくないのかもしれない。
人生という制限時間の中で、終わりを想像しない時代が確かにあった。
それがすべて幸せだったとは言わない。
我慢もしたし、間違えたし、苦しいこともあった。
だけど、時間が無駄だなんて思っている暇が、無かったように思えるのです。
一日が、一生懸命に短かった。
きっと、歳をとってから思い出すことになります。
そして、酒の肴にして笑い合うのです。
「あの時は、若かったなぁ」
と、呟くことになるでしょう。
この物語は。
ある人にとっては、慰めになり。
ある人にとっては、悪夢となる。
ま、人生なんてそんなもんです。ラララ~。
タグ:村上春樹