星の王子さま [文芸]
もう有名すぎるくらい有名な作品。
子供の頃に読んだことがなかったので、今更ながら読んでみました。
「……あれ、これって子供が読んでもわかるのか?」
っていうくらい、奥が深い作品です。
一読すれば、これは『子供が大人の世界を風刺した』という感想。
でも、何だか腑に落ちない。
短い本だし、もう一度くらい読み直してみる。
すると、世界が逆転してしまったのです。
周囲に向かって、ただ訳の分からんことを言う子供だと思っていた『星の王子さま』が、実は大人だった。
それぞれに出てくる登場人物の方が、子供だったのだ。
「習慣や規則に流されて、本当の目的を忘れていませんか?」
皆がやってるから。
これは規則なんですよ。
守らなければいけないから、守りなさい。
そんな言葉に説得力なんてありませんよね。
もっと『大切なこと』があったのだ、と思わせてくれた本でした。
名作は、読む人間の何物も問わないと思います。
名作が名作たる純然たる理由。
それは、あなたの心を震わせることが出来たかどうかで決まるのです。
名作とは、それ以外の何物でもありません。
名作とは、いつも優しい言葉で組み上げられ、至高《ハイエンド》を表現する。
流石です。サンテグジュペリ。
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