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エディプスの恋人|筒井康隆 [文芸]

えー、何かこういう形で文章を書くのがすごく懐かしいです(汗)。
まあ、そんなことはどうでも良いですね。
さっさと次に行きましょう。

本の読み貯めをしておこうかな、と思い、買い込んだ本の中の一冊でした。
言わずと知れた多才な文豪の作品です。
この方の感性の鋭さには、脱帽を通り越して脱皮しても良いくらいじゃないでしょうか。
本書はセカイ系の最先端じゃないかな、と読書量が少ない人間が言ってみる。
「ビアンカ(略)」も記憶に新しいですよね。
そう考えてみれば「パプリカ」なんかもありました。
活躍し放題ですね。あこがれます。

さて、中身のお話。

「家族八景」「七瀬ふたたび」に続く、七瀬シリーズ三部作の最終章です。
あ、凄ぇ、シリーズ物でしかも最後にこういうことやっちゃうんだ。と思いました。
何が「こういこと」なのかは、読んでみて確かめてみてください。
しかしまあ、先見の明ですよ。時代を先走ってますね。七瀬と「彼」を取り囲んだチンピラの如く。
思えば女性に肉食系が増えたとか言われてますし。
こういうのも、感性なのでしょうなぁ。

ストーリーも、ミステリーに通ずる話の流れ方をしているので、非常に読みやすく、適度な緊張を持って読み進められます。
それでいてSFの広がりを見せる世界観が、読者の心の手綱をうまい具合に操ってくれます。
終盤の引き締め方などは、前作を読んでいるとより怖気を誘われることでしょう。
ネタバレ覚悟で話したい事柄もありますが、そこは是非、本書で味わってもらいたいので、何もいえません。
ただ、本を読みなれている人こそ衝撃が強いものになるでしょう。
常識でものを考えていては、罠に嵌められること間違い無しです。

ちなみに、この本に出てる「彼女」。超強いから気をつけてください。勝てません。


エディプスの恋人 (新潮文庫)

エディプスの恋人 (新潮文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1981/09
  • メディア: 文庫



タグ:筒井康隆
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グラスホッパー | 伊坂幸太郎 [文芸]

もうおなじみですね。
『陽気なギャングが地球を回す』、とか、『重力ピエロ』が映画化されているので凄く有名な著者の方だと思います。

ええ、ぶっちゃけると、有名だから読んでみました。

有名な作品には触れておかねば、という浅ましい考えですいません。
ミーハーな人間はこれだから困ります。っていうか、ミーハーの意味を説明できませんが、何となく使います。すいません。

さて、まあ題名からして『グラスホッパー』。つまりはバッタ。飛蝗。ちなみにイナゴは蝗。
虫に皇と書くなんて、なんと偉そうな名前だ。すげーかっこいい。
……閑話休題。
こいつら飛蝗は集団を形成すると、性格が悪くなって、災害規模の襲撃をしてくるらしいです。まさに非行に走ったといえますね。盗んだバイクで蝗ライダーですか。
(大変失礼しました)
どこかの洋画で、大量のイナゴが襲ってくる映画があったなぁ、などと思い出しました。

一応言っておきますが、『グラスホッパー』はバッタの小説ではありませんよ。
まあ、蝉と鯨と押し屋は出てきますけどね。鈴木もいます。
彼らが主軸となって、物語が展開していきます。
殺し屋たちと普通のおっさんが繰り広げる、殺しの様相が手に汗を握らせるでしょう。

凄くない人間だって、生きてるんだ。がんばるんだ。

そう思わせてくれた普通のおっさん=鈴木。
これが特殊な能力に目覚めた高校生なら、また話は違うんでしょうけどね。
現実はそんなに甘くないよ、と。
おっさんだろうが爺さんだろうが、生まれてきたばかりの赤ん坊だとしても、一生懸命にならなくちゃいけないことがあって。
それにどれだけ真剣になれるか、っていうのが大事だと思いました。

不恰好でも、弱くても。馬鹿でも。やっぱり格好良さってのは、心に伝わるもんですね。


グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 文庫



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泥棒に追い風 | 赤川次郎 [文芸]

「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ。
いや、何ていうかね、このシリーズ大好きなのですよ。
っていうか、道田くん最高。
相変わらずの活躍に、愛が止まりません。

夫が泥棒で妻が刑事なら、捕まえればいいだけの話なんですが。
妻は夫に尋常でないほどほれているのです。
それはもう、凄く愛しています。
そして愛し合ってます。
(内容の方は、本書を読んでお確かめ下さい)

でさぁ、夫の方も、どこのアクション映画の主人公だよ
と突っ込みを入れたくなるくらいのナイスガイ。
多分、どんな状況に放り投げられても、確実に生還するタイプの人間だと思われます。

さて、シリーズというからには、色々な話が存在するのですが。
今回は、リストラされた中年男と裏社会の若き女社長が登場します。

ええ、毎度のことですが、ロマンスありです。
世万の無い小説は、小豆の無い赤飯のようなものです。

そう、それでは単なる『もち米の蒸したやつ』になってしまうのです。

さあ、小豆を入れてもち米を炊こう。
そして、お好みで胡麻塩を用意するのもいいだろう。
飾り付けの南天の葉も悪くない。

きっと、出来立ての赤飯は美味しいに違いない。





泥棒に追い風 (トクマ・ノベルズ)

泥棒に追い風 (トクマ・ノベルズ)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2008/11
  • メディア: 新書



タグ:赤川次郎
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